右手を眺めて

1 PIC00217.jpg 2

私は、脳出血の後遺症で右半身不随となり、後にうつ病に陥ってしまった自分の手記を綴り始めた。半身不随とうつ病に向き合うために。 身体障害と精神病。これらを正面から向き合って理解すること。これは私にとって過酷な作業であり、また時には残酷な作業でもある。

スポンサードリンク

14話

ツピーッツピーッツピッーッツ
シジュウカラが春を呼んでる頃、オラァの外泊は毎週になってただ。
金、土、日曜日は家で過ごしただよ。病院に依存した生活にならないように、だんだんと外泊を多くして自宅療養にスムーズに入れるようにするんだそうだ。

「なぁ、あの話ぃどうしらずぅ」
「どうしらずって、何が?」
「自宅療養のさぁ」
「自宅療養がどうかしたの?」
「いや、だからさぁ、あにしていればいいだか・・・」
「あにしてればって・・・病気が嫌がらないことをしてればいいんじゃない?」
「うぅん、そりゃいいだけど、仕事もしねぇで家にいるってのもなぁ」
「なに言ってんの、それがアンタの し・ご・と でしょ?それにこんな山ん中の家だもん、誰も気になんか留めないよ。畑でも広げたら?」
「はは、妙な仕事だなぃ」

正直言って、不安だだよ。
女房は金のことは暫くは大丈夫だって言うだけど、その後が不安でしょうがねぇだ。
社会復帰。
会社でうまくやってけるだずか?今だって人ごみへ行けば具合が悪くなるってのに、あんな騒々しい工場で仕事ができるだずか?先生が言うみてぇに「こんな仕事なんどうでもいいや」って考えられるだずか?
脳出血の前、体重はずっと60kg。右半身に障害を残して働いてる時が64kg。うつ病で入院してから今が68kg。
こんなんでまともに動けるんだずか?
減量のための運動もやってみたが、まともな運動なん出来やしねぇ。走ることもままならねぇ体で、減量なん難しいで。ましてやうつ病独特の無気力とだるさと疲れが邪魔しやがる。
正直言って、不安で仕方がねぇだよ。

「なぁ、オラァまた仕事ぉできるだずかぁ」
「ちゃんと先生の言うこときいてればできるよ」
「おいおい、子供言い聞かせるみてぇだねぇか」
「だってアンタ子供みたいなこと言うんだもん」
「うぅん・・・」
「馬鹿なこと考えてないで楽しく自宅療養できるようにしなよ」
「うぅん・・・」

病院へ戻って次の診察の時、先生に相談してみるかやぁ。
不安で不安で仕方がねぇだよ。
posted by たけぱん | Comment(0) | TrackBack(0) | 手記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。