右手を眺めて

1 PIC00217.jpg 2

私は、脳出血の後遺症で右半身不随となり、後にうつ病に陥ってしまった自分の手記を綴り始めた。半身不随とうつ病に向き合うために。 身体障害と精神病。これらを正面から向き合って理解すること。これは私にとって過酷な作業であり、また時には残酷な作業でもある。

スポンサードリンク

17話

明日は診察だで。なかなか退院が決まらねぇまま4ヶ月になろうとしてるだ。そろそろ決まってもよさそうなもんだ。
そもそもこの病棟は治療病棟で、3ヶ月しかいられねぇだよ。3ヶ月を過ぎると別の一般病棟に移らなきゃいけねぇだけど、先生がオラァの環境を変えたくねぇって、まだこの病棟にいるだ。
オラァの病気、そんなに重いだかなぁ。いつの間にか病棟の最古参になっちまった。
早い人なら一週間くれぇで退院するで。長くも2〜3ヶ月で退院してくでなぁ。オラァ特別なんかやぁ。退院したって自宅療養することになってるだし、社会復帰なん遥か向こうの話だわぃ。

「たけさん、もう長いんだね」
「うん・・・」
「そんなに具合悪くなさそうだけどね」
「そう?・・・」
「もう退院したっていいんじゃないの?」
「先生が退院さしてくんねぇだ」
「たけさん、どう見たって普通だけどなぁ」
「・・・・・」
「そんなに具合悪いの?」
「・・・・・」
「そんなには見えないけどなぁ」
「うるせぇな、オラァだって具合悪りぃ時ゃ布団で寝てるだよ。そんなとこ、誰にも見せねぇだけだっての」
「そうかなぁ、普通に見えるけどなぁ」
「しつけぇヤツだな、普通だったらこんなとこ入院してねぇわぃ!」
ついイライラして怒鳴っちまった。
「おめぇだって普通じゃねぇから入院してんだずが!余計なこと言ってねぇで自分の心配でもしてろや!」
ちょっと言い過ぎたかなって思ったけど、そのまま席を離れちまった。

みんな、人それぞれだでなぁ。
苦しいことだって、悲しいことだって、具合が悪いことだってあるわな。それ治すために入院してるだでや。
病気と向かい合って苦しんでるだでや。
だけど、病気と向かい合わなきゃ治せねぇだよ。
病気を認めてやって、はじめて治療が始まるだよ。

辛いがな、オラァ自分の右半身とうつ病を正面から認めてやらねぇといけねぇだ・・・
うん、そうしなきゃいけねぇだ。
posted by たけぱん | Comment(0) | TrackBack(0) | 手記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。