右手を眺めて

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私は、脳出血の後遺症で右半身不随となり、後にうつ病に陥ってしまった自分の手記を綴り始めた。半身不随とうつ病に向き合うために。 身体障害と精神病。これらを正面から向き合って理解すること。これは私にとって過酷な作業であり、また時には残酷な作業でもある。

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21話

その日、オラァ一人で留守番してただ。
カミサンは婆ちゃんの用事で朝から出かけてただよ。
しとしと雨の気が晴れない日だっただ。

オラァ朝から具合が悪くて、午前中は横んなってただ。
うつらうつら、醒めてるような、醒めてねぇような、不思議な感覚の眠りだった。
百姓時代の夢ぇ見たと思えば入院中の事ぉ思い出したり、犬の散歩に行かなきゃって思えば会長の顔ぉ思い出したり、あんだか不思議な眠りだっただよ。

昼んなって、ようやく目が覚めてきただ。不思議な世界から現実に戻されたようだったで。
カミサンが作っておいてくれた弁当を食うと、また眠くなってきちまった。
こんな時ゃどうしようもねぇ。体ん言う事ぉきてやるのが一番だでな。また横んなってみただ。
また例の不思議な眠りが始まっただ。子供ん頃の事やら最近の事やらこれからの事やら、いろんな風景と思いがごちゃごちゃになって頭ん中ぁぐるぐる回ってた。ずっとぐるぐる回ってただ。

5時頃かやぁ、頭ん中ぁぐるぐるしたまんまで便所に起きただ。
すげぇ嫌な感じがしただ。あにが嫌って訳じゃねぇだけどな。
「もう、やだ。あにすんのもやだ。なんもしねぇのもやだ。とにかく、やだ。」
そんな思いが頭ん中一杯になっちまっただ。
「また横んなんなきゃ・・・」
布団に向かう途中、台所、焼酎が目に入っただ。
なんも思わねぇし、感じなかった。気が付いたら台所に座って、焼酎をコップ酒してたで。
「ばかだな、こんな事ぉしてちゃいけねぇよ」なんて誰も言わねぇし、オラァも思わなかったで。
しこたま酔ったで。酔って酔って、その場で吐いちまった。
その後は憶えてねぇ。あんにも憶えてねぇだ。

カミサンが帰ってきた時ゃヘドにまみれて台所で寝てただと。
周りに睡眠薬が散らばってたらしいが、散らばった数から見たところ、2〜3粒しか足らないだけだったらしい。

うつ病。うまく付き合っていけりゃぁあんともねぇ病気だがな、
posted by たけぱん | Comment(0) | TrackBack(0) | 手記
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