右手を眺めて

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私は、脳出血の後遺症で右半身不随となり、後にうつ病に陥ってしまった自分の手記を綴り始めた。半身不随とうつ病に向き合うために。 身体障害と精神病。これらを正面から向き合って理解すること。これは私にとって過酷な作業であり、また時には残酷な作業でもある。

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23話

このところ、何かがおかしい。
頭ん中の何かが狂ってきたみてぇだ。
妄想するようになっちまっただよ。妄想が頭ん中で一杯になっちまうだ。

例えば中学んとき、淡い想いを懐いてた女の子。
頭ん中でその子のことが一杯になって、今じゃ一緒に住んでるだ。オラァの女房になってるだよ。
変だず?でもそれが現実みたいに感じちまうだ。
今の現実が薄れてって、どっちが現実だかわかんなくなっちまうだ。

例えば仕事のこと。
今日は休みで、明日からまた畑仕事が待ってるだ。
明日はマルチ敷かなきゃなんねぇもんで、その段取りをしてるだ。
部長にも連絡しとかなきゃなぁ・・・なんて考えてるだよ。

例えば息子のこと。
奴ぁ神奈川で頑張ってるかやぁ。たまにゃ連絡くれりゃぁいいになぁ。
息子はもう帰ってきて、街のアパートで暮らしてるってのに・・・

そんなこと本気で考えて、本当の生活が現実じゃねぇような感覚になっちまうだ。

診察日、先生に聞いてみただ。
「なるほど、出ちゃいましたか」
「出ちゃったって?」
「それ、薬の副作用です。シンメトレルの副作用でしてね、強い人は幻覚を見る人もいるんです。脳障害のある方にいい薬なんですが・・そうですか、それなら他の薬に・・・ルジオミールにしてみましょう」
「・・・」
「効果はほとんど同じですが、また変なことがあったら知らせてください」

それから1週間くらいで妄想は少なくなってきたが、今度はひどいだるさが続いてるだ。
薬が替わったときはいつもだで。
朝飯食って朝寝して、昼飯食って昼寝して・・・なんのために生きてんだかわかんなくなっちまう。

先生は、「こんなことを繰り返しながら徐々に治っていくんですよ」って言うけど、なんか不安でなぁ、イライラしてみたり焦ってみたり・・・
まったく忙しい病気だでなぁ。
posted by たけぱん | Comment(0) | TrackBack(0) | 手記
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