右手を眺めて

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私は、脳出血の後遺症で右半身不随となり、後にうつ病に陥ってしまった自分の手記を綴り始めた。半身不随とうつ病に向き合うために。 身体障害と精神病。これらを正面から向き合って理解すること。これは私にとって過酷な作業であり、また時には残酷な作業でもある。

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1話

いつもの朝だったで。なぁんも変わりのねぇ朝だったでなぁ。
「たけぇ、10時までに20パレット作っとけやな。」
「ほいっすぅ、加工用っすねえ。」
加工用白菜を20パレット。400コンテナ。10時までに冷蔵庫からトラックへ積み終えればいいだよ。楽勝だでやぁ。へへへっ、頂きだわぃ。
15s程のコンテナを二つ重ねて積んでくだよ。
「ほいさっ・・・ほいさっ・・・」
9時半頃だったかやぁ、右手が滑ってな、コンテナ落としちまっただよ。
「おっとぉ、危ねぇ。」
足の上に落とさなくてよかったなぃ。しっかり持ってねぇと危ねぇでやぁ。
持ち直して、持ち上げて・・・ズルッ・・・
「あれ?・・・よいしょっと。」・・・ズルッ・・・
・・・右手に力が入らねぇ・・・
・・・右腕が自分のもんじゃなくなってくみてぇだ・・・やべぇ・・・
「マサさん、オラァ・・・」
マサさんに説明してる頃にゃ、口もロレツが回らなくなってたでねぇ。
「ばかやろ、たけ、喋るでねぇ。そこぉ座ってれ。」

救急車なん乗るの初めてだなぃ・・・
残りの白菜は間に合うだかやぁ・・・
弁当、ロッカーに入れっぱなしだでやぁ・・・
なんか、どうでもいいことぉ考えてた気ぃする。

脳出血だと。手術はしなくてもいいって。点滴で散らしちまうって。右半身に障害が出てるって。
ベットん中で身体を動かしてみただ。左はなんともねぇ。右足は少しだけだけど、動く。口は、うまく喋れねぇ。右手は、動かねぇ。肩から、右腕全部が動かねぇ。

草ぁ引く時も、種ぇ蒔く時も、汗ぇ拭く時も、飯ん時も、尻ぃ拭く時だって一緒だったこいつが言う事きいてくんねぇ。
天井見上げるばっかりで、動いてくんねぇ。

まいったなぃ。
こいつが動いてくれなきゃ開墾も容易じゃねぇわなぁ。
まぁ、片手だって出来ねぇこたぁねぇけどなぁ・・・
posted by たけぱん | Comment(0) | TrackBack(0) | 手記
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