右手を眺めて

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私は、脳出血の後遺症で右半身不随となり、後にうつ病に陥ってしまった自分の手記を綴り始めた。半身不随とうつ病に向き合うために。 身体障害と精神病。これらを正面から向き合って理解すること。これは私にとって過酷な作業であり、また時には残酷な作業でもある。

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手紙1

父さん、僕は父さんに謝らなきゃいけないことがあります。
僕は父さんとの約束を破ってしまいました。

父さんが癌との闘病中、僕に言ってくれましたね。
「体だけは大事にしろよ」って。
僕、約束を破ってしまいました。
父さんが逝ったあの後、僕は脳出血を患ってしまい、今では精神病院に入院する体になってしまいました。
この約束、いつかは破るときが来ることは分かっていましたが、こんなに早く・・・
父さん、ごめんなさい。

病棟には父さんと同じくらいの年格好の患者さんがいます。父さんと同じように病気と闘っています。
父さんの年代の人達は凄いですね。鍛え方が違うというか・・・弱音を吐きません。あくまで闘い抜こうとしているようです。
父さんも、最期までそうでしたね。

僕にはとても真似が出来ません。主治医の先生も「真似しろ」なんて言いません。むしろ、「真似するな」と言います。
この病気、なかなか体から離れてくれないようなんです。だから、「闘うな」と、先生は言います。
父さんに言わせれば「軟弱者の考え方だ」と叱られそうですが・・・
でも、僕は決めました。「病気と仲良くして、病気が嫌がることをしない」と決めました。
僕も決めたからには実行します。父さん譲りの頑固さでね。

父さん・・・父さんの所へ行ってしまおうと、馬鹿なことを考えたこともありました。それこそ「軟弱者」になりそうなこともありました。
でも、こんなことで父さんのところへ行ったら叱られそうで・・・やめました。

父さん。僕は生き恥を晒しているのかもしれません。たぶん、そうです。
だけど、父さんに会えるのはずっと先になりそうです。
最近、父さんを思い出す度に、僕はしたたかに生きる覚悟ができたように思えるのです。
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